アグリコラ・ハウスルール−持ち時間制システム

この土日2日間でアグリコラ泥沼を遊び倒してきました。感想はおいおい書いていくとしまして、まずは今回アグリコラを遊ぶうえで導入したハウスルールを紹介しようと思います。

概要

プロ対局の将棋や囲碁と同じように、各プレイヤーの行動に持ち時間を設けます。
持ち時間を切らすことは認められません。持ち時間が足りなくなりそうな場合は、食糧を支払い持ち時間を購入します。

詳細

小道具の準備

キッチンタイマーのようなカウントダウンできるタイマーを人数分用意します。

ただし、以下のようなことができるタイマーでなければいけません。

  • カウントダウンの一時停止中に、分単位や秒単位でタイムを加算できること。

たとえば、カウントが5:40のときに「分」のボタンを1回押すと、1分増えて6:40になる。といったイメージです。0から9までボタンがついているようなキッチンタイマーは逆にこういったことができないようなので、「分」と「秒」のボタンが1つずつついているタイマーが良いかもしれません。

プレイ前の準備

各プレイヤーは、自分のタイマーを持ちます。タイマーの持ち時間は、事前に取り決めた値にセットします。最初のプレイは、30分程度(泥沼の場合は40分程度)にするのが良いでしょう。

プレイ中のルール

自分の手番の行動は、思考、コマ配置、大きい進歩の購入、柵を立てる作業等を含めてタイマーの持ち時間内で解決する必要があります。

  1. 自分の手番が回ってきたら、まずタイマーのカウントダウンを最初に開始します。
  2. 自分の手番を行います。
  3. 自分の手番が終了したらすぐに、タイマーのカウントダウンを一時停止します。

基本的にはこれの繰り返しです。
また、他人のプレイの結果として自分に何らかの行動が発生する場合や、ラウンドの最初に行動ができる場合などについて、その行動が即決できないような状況の場合は、自分の手番と同様にタイマーを動かします。たとえば、自分が職業訓練士を出しているときに他人が職業を出した場合などがこのケースにあたります。この場合、職業訓練士の能力を起動するかも含めて思考時間の対象です。逆に、「これ以降のラウンドに食糧1を置く。それらのラウンドの最初に・・・」のようなカードを出して、ラウンドの最初に資源を獲得するような場合は、思考が発生しないためカウントダウンは不要です。
自分の手番でない場合については、すべての行動に厳密にタイマーカウントをやると大変なので、2〜3秒以下の一瞬の思考程度はノーカウントの許容範囲としても良いと思います。ただし、少しでも手を止めて「うーん」と思考を始めてしまうようなら、タイマーを動かすように周りの人が促すのが良いでしょう。
持ち時間は、切らしてはいけません。切れそうになったら、食糧を使って持ち時間を購入する必要があります。

  • 食糧1で3分の持ち時間が買えます。
  • 食糧がない場合、物乞いカードを借りて持ち時間3分にあてます。
    • この物乞いカードは「借りている状態」となります。
    • 次の収穫の終了までに食糧を支払えば返却することが可能です。返却できなければ、その時点で物乞いが確定します。
    • 一度確定した物乞いは、返却できません。

メリット

長考でゲーム全体が間延びすることを防げる

長考するプレイヤーは、考え出すと5分10分は平気で時間を使います。これが積み重なると、ゲーム全体でみたときには相当なプレイ時間になります。アグリコラは自分の手番で取れる選択肢が多く、また他のプレイヤーの動きなども見ながらプレイしていく必要があるため、他プレイヤーの動き等を考慮したアクション選択を考え始めると思考時間は際限なく増えていきます。このハウスルールは、その長く考える行為自体に対価を要求することで、ゲーム全体の進行をスムーズにします。
泥沼を普通にプレイすると平気で4〜5時間はかかると思いますが、このルールで持ち時間30分程度に絞るとだいたい2時間半〜3時間に収まります。脳の疲労もその分少なめになります。

熟練度の差を持ち時間のハンデで調整できる

プレイヤースキルに明らかな差がある場合(かたやアグリコラを100戦以上プレイしている豪傑、かたや実戦経験5回程度のひよっこ)でも、たとえばベテランは持ち時間10分、初心者は持ち時間30分などとすることで割と簡単にバランス調整ができます。今回は泥沼を7戦ほどやりましたが、泥沼で持ち時間20分以下だと、ベテランでも時間のやりくりにかなり苦労すると思います。このようなケースでは、ベテランは初心者の長考時間を上手く活用する必要があるでしょう。

ゲームシステムを壊さない

持ち時間不足時の調整を食糧だけで解決しています。アグリコラの面白さを失わせることなく、ゲームをスピーディーに進めることができます。

ゲームの要所が分かるようになる

持ち時間が有限であるため、必要なところに思考時間をかけるようにしないと時間がすぐに足りなくなります。このあたりの感覚が、何度かやっているうちに洗練されていきます。

適用条件

どのような状況でもこのハウスルールを適用できるかどうかは、やや疑問が残ります。

  • プレイヤー全員が長考を良しとする考えの場合は、このハウスルールを無理に導入しなくとも良いでしょう。
  • プレイヤー全員がアグリコラ初心者の場合は、ハウスルールの適用は慎重に行った方がよいでしょう。

逆に、長考プレイヤーにイライラするような人がいる場合には、導入を検討してみるのも悪くないと思います。ただし、事前にプレイヤー全員の合意を得たうえで導入しましょう。

参考

3/13、14の2日間で泥沼を7戦やりましたが、以下のような持ち時間で対戦しました。

  • 前半4戦…私が持ち時間36分、他3人が持ち時間30分
  • 後半3戦…私が持ち時間26分、他3人が持ち時間25分