ルアーブル戦術研究 借金(2)

前回は借金の価値について考察しましたが、今回は、借金をして勝つ人、負ける人のパターンを整理してみます。

負ける借金プレイのパターン

借金をしているのに、船を造らない

これは典型的な負けパターンです。船がないと、どうしても食糧を取るための手数が必要になってきます。しかし、借金をしているため、手持ちの資金もほとんどなく、踏めるアクションが制限されます。結果として、食糧を稼いでいるだけでゲームが終わってしまうという最悪の事態になりかねません。
船を造るか、もしくは麦、牛を他のプレイヤーより増やすなどして1手で大量の食糧を稼げる体勢をつくらないといけません。一時的に借金が増えようとも、こういった食糧安定供給のための基盤作りを優先させるべきです。目先の食糧に惑わされないように。

建物を売却してしまう

ルアーブルにおける借金の利点は、「自分の所有している建物は売却する必要はない」ことです。建物を売却すると資産価値の半分が失われてしまいますので、高額な建物であればあるほどこれは賢明な選択とはいえません。また、ある程度人気のある建物は他のプレイヤーが建物を使用することによる収入が期待できますので、売却はできるだけ避けるべきでしょう。
一方で、重要な局面では売却をためらわないこともまた大事です。よくあるのは、他のプレイヤーの建物を使いたいが使用料を払えない、という局面でしょう。このときも、「資産価値がなるべく低い建物」「あまり利用されない建物」を優先すべきです。

簡易裁判所で借用書を返す

簡易裁判所で借用書を返す場合の最大効率は、借用書を3枚以上所有している場合の2枚返しで、このときの行動の価値は10フランを得ることに等しくなります。しかしながら、終盤の局面においては海運会社による出荷の方が得点効率が良いことの方が圧倒的に多いのです。つまり、出荷の体勢を作れていない時点でゲームに勝つのが難しい状況になってしまっている、といえます。実際、借金をしても得点を伸ばす人は海運会社で大量の資金を得て、まとめて借金を返済するというパターンがとても多いです。
ただし、船需要の少ない5人プレイの場合は例外で、簡易裁判所に通うのは効率的な手段である可能性もあります(この点、私自身は十分な検証ができていません)。

勝利に近づく借金プレイのパターン

食糧がない状況でも、前倒して重要な建物に入る

代表的なパターンはやはり「商館」でしょう。鋼鉄の船争奪戦をする中で、商館に先んじて入るメリットはきわめて大きいです。4人戦の例でいっても、鋼鉄の船を造ってしまえば、それ以降の食糧供給は毎ラウンド-5です。鋼鉄の船があるとないとでは、その後の食糧にかける手数が2〜3手は違ってくるでしょう。こういった重要な建物に入るタイミングが訪れた場合は、借金をしてでも飛び込む意味があります。

借金に借金を重ねることをためらわない

ルアーブルの借金は、利息が1で固定なこともあり、いったん借金モードになってしまうと借用書が1枚でも2枚でもたいして状況は変わりません。これを利用して、あとで海運会社でまとめてお金をつくるんだからいいや、と割り切って、他の人が食糧を稼ぐのに手数を使っている隙を突いて美味しい(=効率の良い)手をどんどん狙っていくのです。借用書10枚くらい、鉄鋼を7個出荷すれば帳消しです。なーんだ、それならいつもより製鉄所に2回、炭鉱に1回多く通うだけで済むじゃないですか!


他にもパターンがあるかもしれません。今回のまとめは個人的なプレイ経験によるところが大きいので、まだまだ考察の余地があるでしょう。